歯科医院成功のポイントは「人を動かす力」「雰囲気づくり」

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歯科医院を成功させるために医院長には何が最も必要か?と聞かれたら、間違いなく「人を動かす力」「雰囲気づくり」と答えます。

これはなにも歯科医院経営に限ったことではありません。一般企業や業界団体、NPOやボランティア団体でも同じです。

歯科医院の医業収入を増やすためには、

  • 新規患者数(新患数)を増やす
  • リコール率を上げる
  • キャンセル率を下げる
  • 自費率を上げる
  • レセプト枚数を増やす
  • レセプト1件の平均点数の最大化

などがあります。

上記に示した内容を実現するための個別具体的な方法は別レポートで示しているので参考にしてください。

本レポートでは個別具体的な方法を達成するために必要なスキルを報告させていただきます。

言い換えれば、本レポートでお伝えすることができない限り「リコール率を上げるためのノウハウ」を習得しても実現することは不可能です。

本レポートを最後まで読んでいただければその理由が分かります。是非、最後までお読みいただき歯科医院の経営を他医院とは別次元のステージに引き上げてください。

 

歯科医院の医院長は経営者か?

はじめに、小規模企業に特化した経営ついて専門的に学んだことのある歯科医師はどれくらい存在するでしょう?

一般企業では開業5年では85%が倒産し、生存率は15%程度と言われます。では、生存競争を勝ち抜いた経営者はなぜ生き残れたのでしょうか?

私の経験から2種類のタイプの経営者に分かれるとおもいます。

  1. 勘が鋭い。センスがある経営者
  2. 学習する。科学的な経営者

間違いなくこの2つのどちらかを持ち合わせていなければ生存競争には勝ち残ることはできません。

「運」という方もいます。しかし、運を味方にする経営者は多いですが、運だけで持続的に経営を続けられるほど甘くはありません。運は一つの要素としてはありますが、運だけでは絶対に無理です。

1.勘が鋭い。センスがある経営者

このタイプの経営者は天才型といえます。生まれながらにセンスを兼ねそろえているか、幼少期から商売に実践的に触れている者で「商才がある」といわれる人です。

頭がいいことと商才があることはイコールではありません。ドラッガーによると「頭の良さは成果の上限を規定するだけで、成果を出す能力とは関係がない」とのことです。

例えて言うと、初めて自転車にまたがった時から転ばずにスイスイと乗りこなし、どんどん運転の技術を感覚的に習得していってしまうタイプです。

2.学習する。科学的な経営者

こちらのタイプは決して天才型ではありません。学習型です。

先輩経営者や異業種交流会などの人的交流から様々な経営知識を習得することや、MBA・経営学や本やセミナーなどで経営知識を得ることで科学的に経営を行うタイプの経営者です。

歯科医院の医院長はどちらのタイプの経営者?

歯科医院の経営者といえば医院長です。

では、上記に挙げた2種類のタイプの経営者で言うと、どちらのタイプが多いのでしょう。私は1のタイプかと思います。

しかし、全国に約7万件ある歯科医院ですがおそらく数えるほどしかいないと思います。理由は、家業が自営業(歯科医院ではない)などで幼いころから商売に触れていた歯科医師は少ないことを考えると、一般業種の起業家においても少数である1のタイプは本当に少ないと思います。

経営者から歯科医院経営を学ぶ

仮に周りに1のタイプの経営者がいたとしても、こちらのタイプの経営者から学ぶことはできません。

なぜなら、本人は感覚的に経営を行っているため他人に論理的に説明したくてもできないのです。どうしても、なぜ他人が理解できないのかが分からないのです。

「歯科医院経営は一般企業と違い特使だから」という声をよく聞きます。確かに医療広告ガイドラインや保険制度を扱うなど特殊な業界ではあります。

しかし、小規模事業経営の基礎・基本はすべての業種で同じです。ほとんどの業種では様々な独自ルールが存在し、「特殊」といえばどの業種も特殊といえます。

経営の基礎・基本は様々ありますが、その中に重要な2つがあります。

  • 「人を動かす力」
  • 「雰囲気づくり」

の2つです。

では、この2つがなぜ重要かを示していきたいと思います。

歯科医院の医業収入を増やすためには、

  • 新規患者数(新患数)を増やす
  • リコール率を上げる
  • キャンセル率を下げる
  • 自費率を上げる
  • レセプト枚数を増やす
  • レセプト1件の平均点数の最大化

などがあることは上記で示した通りです。また、このことは言うまでも無く誰でもわかることかと思います。

 

歯科医院の医業収入を増やすのは誰?

では、上記のような事柄を達成するためには、実労働でいうと誰の働きや頑張りが必要となるでしょうか?医院長の頑張りだけで達成できるでしょうか?

歯科衛生士、歯科助手、受付などスタッフの協力と頑張りが確実に必要となります。医院長は実労働で頑張るというよりは、医院の「舵取り」を行うことが最も重要ではないでしょうか。

歯科医師によく見る状況

先生は忙しい日々、この様なことを感じながら診療していませんか?

  • 受付の予約の入れ方にイライラ
  • 歯科助手の段取りの悪さ、紛失物にイライラ
  • 歯科衛生士の仕事のスキル、態度にイライラ
  • 技工物のセットがスムーズにいかず技工所にイライラ

そして、医院長自身は患者さんへの気遣いと歯科治療の忙しい中、歯科衛生士・歯科助手・受付・技工所に対して

“なんで何度も言っていることができないんだ”

“こっちはこんなに勉強しているのに何でみんな勉強しないんだ”

“給料払ってるのはこっちなんだ。しっかり勉強しろよ”

などなど、患者さんへの気遣いの一方でスタッフに対しては思うようにならず何とも言えないイライラがたまる一方

そのような状況から、スタッフに対して怒りため息舌打ちなどから気付かないうちに高圧的な態度となってしまいます。

歯科医院の雰囲気が悪い

当然、スタッフは医院長の態度や言動に対しイライラや恐怖を感じながら働くこととなっています。

そのことから、多くの歯科医院では患者さんに最も気を使わなければならないにもかかわらず歯科医師の機嫌や態度を一番気にするようになっています。

ただ、患者さんに対して表面的には気遣いもできています。多少、機嫌の悪い時にスタッフが患者さんに対して横柄な対応をしていても歯科医師がフォローできているので大丈夫。

ほとんどの歯科医院では、このような状況にあります。また、この様な状態が日常化していても特に問題が無く運営できていると思っているので「問題」とも思っていない歯科医師がほとんどです。

しかし、どうでしょうか?

例えば、飲食店に食事に行った際、ホールスタッフをはじめサービス担当がお客さんに対してすごく良い対応をしているとします。すると、あなたも気持ちよく食事ができるでしょう。

しかし、本当にその表面的な対応だけで本当に気持ちよく食事ができるでしょうか?

よく見ると、店の奥で調理を行っている店主は、他の調理担当、ホール、レジなどのスタッフの手際の悪さやミスに目を光らしイライラしていることが遠目からも感じ取れます。

その時、ホール担当が注文の品をあなたの下へ届けます。しかし、どうやら食後のドリンクを聞き忘れているようです。奥で店主のイライラした姿が目に入ります。

店主がスタッフに何か言い放ち、こちらに食後のドリンクの注文を聞きに来ます。「食後のお飲み物は何にいたしますか?」先ほどのスタッフに対しての態度とは180度違う丁寧な対応です。

その後、食事をしながらも店主のことが気になりチラチラ見ていると、調理担当者のミスにも厳しく注意しています。レジには支払待のお客さんが少し並んでいます。

店主はその様子にイライラを抑えきれないような表情です。しかし、お客さんに対しては丁寧に対応するギャップに少し違和感がある様に思います。

そして、今度はスタッフの様子が気になり少し観察してみます。するとスタッフ全員がお客さんに対しては店主と同様に凄く丁寧に対応していることが分かります。

しかし、何か感じるこの違和感は・・・

  • 店主に怒られないように店主の様子を頻繁にチェックするスタッフ
  • 店主に注意されるのが苦痛でなるべく店主の視界に入らないようにするスタッフ
  • 店主に対して反抗的な態度となっているスタッフ

そうです。お客さんよりも店主の様子を気にしていることが感じ取れます。

この無意識に感じるお店の「雰囲気の悪さ」は、スタッフを委縮させミスを増加させます。無意識に感じる「空気の悪さ」は確実に店からお客さんを遠ざけます。徐々にジワジワと。

どうですかこの状況?多くの歯科医院で日常的に目にする光景です。

歯科医院の医業収入を増やすのはスタッフ

繰り返しになりますが、歯科医院の医業収入を増やすためには、

  • 新規患者数(新患数)を増やす
  • リコール率を上げる
  • キャンセル率を下げる
  • 自費率を上げる
  • レセプト枚数を増やす
  • レセプト1件の平均点数の最大化

などがあることは上記で示した通りです。ということは、スタッフ全員のモチベーションを上げる必要があります。

しかも、一時的ではなく持続的に

  1. 「自ら進んで上記の物事を成し遂げよう」というスタッフ個々の気持ちと
  2. そのことを歯科医院全体が共有することで生まれる「歯科医院の雰囲気」

が絶対に必要な要素であることはご理解いただけると思います。

ドラッガーは、単なる人の集まりを「群衆」。同じ目的をもった人の集まりを「集団・組織」と言っています。

特に小規模事業の経営者は、事業の参加者ではなく主催者として

  • 人を動かす(「自ら進んで物事を成し遂げよう」とする人を育てる)
  • 活気のある組織運営

というスキルが最も必要です。事業の成功と失敗を分けるのは経営者のこのスキルと言っても過言ではありません。もちろん歯科医院経営も同じです。

 

 

 

歯科医院成功のポイントは「人を動かす力」「雰囲気づくり」

恐怖政治の様に人を動かすことも可能です。しかし、「自ら進んで物事を成し遂げよう」と積極的に行動する人は恐怖政治で育てることは不可能です。

当然、全てにおいて同じ目的に向かって積極的に自ら行動する組織の方が優れていることは言うまでもありません。

論理で人は動かない

人は感情で動く動物です。いくら論理的に説明しても感情に響かなければ人は動きません。

論理や根拠で行動が決定するのは、開かれた場での大人数で行われる議論の末の決定事項です。

想像してください。

選挙時に熱心な支持者があなたに話してきます。自らが支持する候補者が訴える政策が如何に論理的で根拠が明確で優れた政策であるかを誇らしげに。

説明を聞いても全く否定のしようがない素晴らしい政策です。しかし、「有権者はバカだから理解できない」「あなたも知らなかったでしょう?私が教えてあげたから理解できた。これでこの候補者に入れない奴はバカとしか言いようがない」と非情に上から目線で偉そうに言われたらどうでしょう?

おそらく、ほとんどの人はこの候補者に一票を投じることはないでしょう。それどころか「あの候補者は非常に上から目線で、偉そうで、感じが悪いから票を入れない方が良い」と周囲に伝えるでしょう。

確かに人を説得するためには論理や根拠を伝えることは必要です。しかし、もっと重要なことは感情を動かすことです。

歯科衛生士などに「なぜ理解できないんだ」「なぜ、理解した、分かった、ハイ、と言ったのにやらないんだ」と怒ってはいないでしょうか?

人は褒めることで自ら進んで物事を成し遂げようと行動する

人は褒めることで積極的に自ら行動するようになり、そのことで歯科医院に活気をもたらすこととなります。

しかし、「人を褒める」ということは思っている以上に非常に難しいスキルです。先ずは下の動画をご覧ください。

これは世界的な指導者が子どもたちに指導する企画ですが、やはりコーチングスキルがずば抜けて秀でていることが分かります。

この様に「褒めて育てる」ということを“あたりまえ”にするには訓練が必要です。簡単なようですが実際に継続的に行おうとするとどうしてもイライラして先生と生徒のように指示が多くなってしまいます。

私は皆さんに実際に子どもの指導をボランティアで行うことをお勧めしています。実際に私も少年サッカーの指導者としてコーチングのスキルアップに励んでいます。

子どもは歯科衛生になどと違い非常に正直です。大人の様に気遣いや空気を読んではくれません。

面白くなければ集中力は無くなります。怒るとテンションがガタ落ちになります。多くの人は「将来のために怒っている」「この子のために怒っている」と言いますが、ほとんどの場合は自分の怒りをコントロールできていないだけです。

子ども相手に褒めてモチベーションを上げさせ自ら行動を起こさすことができれば、歯科医院のスタッフくらいは簡単と思っていただいても良いと思います。

「ありがとう」は歯科医院の雰囲気を変える

上記の様に「自ら進んで物事を成し遂げよう」とする人の集団となれば間違いなく活気のある歯科医院となり、その雰囲気は患者さんにも伝わるようになります。

しかし、スタッフになるべく気持ちよく仕事をしてもらうためにはこれだけでは不十分です。歯科医院の医院長はスタッフを強制的に管理するのではなく、気持ちよく仕事をしてもらい歯科医院全体の雰囲気をコントロールすることが重要です。

そのためには些細なことでも「ありがとう」と伝えることを癖づけることが最も簡単で効果的な方法です。

スタッフがモノをとってくれた時にありがとう。少しの汚れをふき取っているところを見かけたときにありがとう。ゴミを拾って捨てている姿を見たときにありがとう。

ポイントは「気持ち悪い」と思われるほどに“ありがとう”を使うことです。「ありがとう」と言われて気を悪くする人はいません。

最初は「気持ち悪い」と思っていたスタッフも徐々に慣れてきて「ありがとう」と言われることが当たり前になります。そのような状況にまでになると無意識に脳が反応して気持ちよく仕事ができる状態になっています。

そしてスタッフの間でも自然と「ありがとうの連鎖」がはじまり歯科医院全体が良い雰囲気となって行きます。

あいさつ

今更ですが“あいさつ”もスタッフを気持ちよくするには重要です。ほとんどの人はできていると思いますが、相手を気持ちよくすることをも意識してあいさつしている人は少ないように感じます。

相手を気持ちよくする挨拶のポイントは、

相手よりも先に最高の笑顔で

相手よりも元気にすがすがしく

相手のあいさつにいら立っても表情には出さない

ことを意識してあいさつすることです。

 

歯科医院成功のポイントは「人を動かす力」「雰囲気づくり」とお伝えしましたが、実は本当に奥が深い事です。

そして、簡単にこの様な歯科医院にすることはできないと思います。なぜなら多くの経営者が、この様なスキルを身に着けるために

  1. 経営学を学び
  2. マネイジメントを学び
  3. コーチングを学び
  4. 組織論を学び

努力していてもなかなか難しいのでコンサルタントに依頼したりもしています。そのコンサルタントも他社にはできても自社ではなかなかできないのも事実です。

そのため、コンサルタント会社が別のコンサルタント会社に自社のコンサルを依頼したりもしています。

歯医者が自分の歯を治療できないため、知り合いの歯医者に治療を行ってもらうのと同じような感覚です。

それほどまでに重要はマネイジメントやコーチングを意識することで歯科医院を成功へと導いてください。

 

 

 

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