集団的個別指導とは
保険医療機関等の類型区分に応じて、レセプト1件当たりの平均点数が高い保険医療機関等を選定し、平日の昼間に講習会形式で行われる指導です。
※類型区分とは
《病院(下記(歯科を除く):3区分(入院データ)》
- 一般病院
- 精神病院
- 臨床研修指定病院・大学附属病院・特定機能病院
《医科診療所:12区分(入院外データ)》
- 内科(下記②、③の区分に該当するものを除き、呼吸器科、消化器科(胃腸科を含む。)、 循環器科、アレルギー科、リウマチ科を含む。)
- 内科(下記③の区分に該当するものを除き、在宅療養支援診療所に係る届出を行ってい るもの。)
- 内科(人工透析を行うもの(内科以外で、人工透析を行うものを含む。))
- 精神・神経科(神経内科、心療内科を含む。)
- 小児科
- 外科(呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、小児外科、こう門科、麻酔科を含む。)
- 整形外科(理学療法科、リハビリテーション科、放射線科を含む。)
- 皮膚科(形成外科、美容外科を含む。)
- 泌尿器科(性病科を含む。)
- 産婦人科(産科、婦人科を含む。)
- 眼科
- 耳鼻いんこう科(気管食道科を含む。)
《歯科及び薬局》
- それぞれ1区分
指導対象となる保険医療機関等
レセプト1件当たりの平均点数が次の都道府県の平均点数の一定割合を超えるもの
- 医科病院の場合は1.1倍
- 医科診療所、歯科病院及び歯科診療所、薬局の場合は1.2倍
かつ、
- 前年度及び前々年度に集団的個別指導又は個別指導を受けた保険医療機関等を除き、類型区分ごとの保険医療機関等の総数の上位より概ね8%の範囲のものが対象。
要するに歯科診療所の場合は、
- レセプト1件当たりの平均点数が都道府県平均の1.2倍以上で、
- さらに上位8%の高点数医療機関に入ると
翌年の集団的個別指導の指導対象となるということです。
集団指導の内容
集団指導の講習会では簡単に言うと
「こんな高点数を請求し続けたら次は個別指導になります」
「このような高点数を請求すると不正請求と疑われても仕方ありませんよ」
といった内容で、要するに「平均点数まで下げなさい」ということを指導されるということです。
言い換えると、講習会自体はただ座って話を聞くだけで終わりです。しかし、本当に重要なことは集団指導を受けた後です。
個別指導の対象に
集団指導が終わり、翌年に再度「高点数保険医療機関」かどうかの判定が行われます。
そこで高点数保険医療機関の判定を受けてしまうと今度は集団的個別指導の個別指導の対象となってしまいます。
集団指導で「点数を下げなさい」と指導したにもかかわらず「点数を下げなかった」ということで個別指導の実施通知が届いてしまうということです。
集団指導を欠席したら
集団指導は正当な理由が無く欠席すると、個別指導の対象となります。
集団指導の場合は、講習会で「点数を下げなさい」という話を聞くだけで済みますが、個別指導となると30人分のカルテを用意しなければなりません。
また、個別指導となると指導医療官からの指導を受けるだけでなく、再指導や下手すると監査となる場合もあります。
集団指導には必ず参加する必要があります。
個別指導
- 診療報酬請求等に関する情報提供があった場合
- 個別指導を実施したが改善が見られない場合
- 集団的個別指導を受けた保険医療機関等のうち、翌年度の実績においても、なお高点数保険医療機関
等に該当する場合に、保険医療機関等を個別面談方式により行う指導です。
また、個別指導の実施件数については、医科、歯科及び薬局ごとの類型区分ごとに全保険医療機関等の4%程度を実施することとしています。
高点数保険医療機関等に該当する保険医療機関等とは
翌年度の実績において、集団的個別指導を受けたグループ内の保険医療機関等の数の上位より概ね半数以上である保険医療機関等を指します。
集団指導と個別指導の関係のまとめ
集団指導判定と個別指導の関係をまとめると以下の通りとなります。
- 【本年】レセプト1件当たりの平均点数が1.2倍以上。上位8%の高点数医療機関に入る
- 【翌年】集団指導の対象に選定され、集団指導を受ける
- 【2年後】再び高点数保険医療機関であるかの判定が行われる
- 【3年後】高点数保険医療機関の判定を受けると、個別指導対象となり個別指導を受ける
この様に集団指導の翌年に高点数医療機関の判定を受けるかどうかが最も重要なポイントとなります。
言い換えると、本年、翌年と高点数であってもその次の年に高点数保険医療機関の判定を受けなければ何度集団指導を受けても個別指導へ進むことはありません。
このことがポイントで、このような集団指導と個別指導の関係やサイクルを理解することで、リスクを最小限にとどめ医業収入を最大化することが可能となります。
この方法については別記事にて詳しく記載しますので是非、参考にしてください。
指導対象は誰が選定するのか
都道府県庁内に設置された選定委員会が選定します。選定委員は都道府県保険・国保・老健各主管課担当職員等。なお、医師会・歯科医師会は委員会への参加は認められていません。
使用する基礎データ
社会保険診療報酬支払基金及び都道府県国民健康保険団体連合会で管理されている保険医療機関等ごとのデータです。
算出に使用するレセプトの種類
社会保険、国民健康保険の一般分及び後期高齢者分
レセプト1件当たりの平均点数の算出方法
類型区分ごとに、保険医療機関等のレセプトの総点数をレセプトの総件数で除したもの。
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