よく個別指導に関して、「歯科医師会に入っていればサポートしてもらえろから有利」ということや、歯科医師会の見えない力?みたいなものが語られたりします。
歯科医師会に入っていない歯科医師からすると、「個別指導のことも考え歯科医師会へ入会するべき?」など悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そのことからも個別指導と歯科医師会についてお伝えしたいと思います。
個別指導で歯科医師会の会員は優遇される?
はじめに結論から言いますと、あくまで私の感覚的なものですが歯科医師会に入っているほうが個別指導に関しては、メリットはあると思います。
しかし、そのメリットが歯科医師会員であれば「個別指導で助けてもらえる」という程のメリットではないと思いますし、このような理由から「歯科医師会への入会」を決断する程のメリットでもないと思います。
「個別指導で歯科医師会員は助けてもらえる」と言われる理由
個別指導で歯科医師会員が優遇されるという理由は、個別指導の指導医療官が対象地域の歯科医師会の役員が担当する場合が多くあるからかと思います。
なぜそのようなことになっているのかと言うと、各都道府県に厚生局の指導医療官は1~数名程度しかいません。
にもかかわらず各地方厚生局では1日に何件もの個別指導を同時に実施しています。そのため、各会場では机と椅子のセットが何組も用意され、同時に個別指導が実施されています。
そうなると、当然、厚生局の指導医療官だけでは対応できず歯科医師会から役員を派遣して対応しているとう状況です。
指導医療官が歯科医師会の役員の場合
当然、個別指導対象の歯科医師が歯科医師会員であれば「○○先生!いつもお世話になっています」という感じや、本人は面識が無くても「○○先生の息子さんだね!○○先生には大変お世話になったんだよ」などと声を掛けられる場合。
また、歯科医師会に未入会の歯科医師に対して、個別指導の場で「なんで歯科医師会に入ってないの?入った方が絶対いいから」など入会を勧められる場合。
などと声を掛けられる場合が一昔前はありました。もしかすると今でも地方によってはあるかもしれませんが、あくまでこのように声を掛けられるだけです。
そのことで忖度が働き個別指導の結果を直接的に左右するものではありません。
なぜ歯科医師会員であっても忖度は働かないのか
一昔前にはあったかもしれませんが、現在は個別指導で見つかった問題が軽微なもので、指導判定が「経過観察か再指導」のどちらかという状況において「経過観察」となる可能性が歯科医師会員は未入会の歯科医師より高いということくらいです。
なぜ「経過観察」となる可能性が高いかと言うと、個別指導後の指導サポートや改善状況の把握などの面倒を継続的に歯科医師会にいだねることができるからです。
一方、歯科医師会に属さない歯科医師の場合はこの様なサポートが期待できないため、厚生局が直接、改善状況などを把握しなければなりません。そのため、再指導になる可能性が歯科医師会員より高くなるということです。
しかし、あくまで個別指導での問題点が軽微なもので「経過観察か再指導」かの微妙なラインの場合です。
最も重要なことは、指導結果の判定結果は歯科医師会員であろうがなかろうが関係ありません。
なぜなら、平成20年の地方厚生局の保険医療機関への指導体制の変更により、歯科医師会の係りは「経過観察か再指導」かの微妙なラインの場合に限られ、最も重要な判定会議に歯科医師会の関わりは無いからです。
「歯科医師会に入っているから大丈夫」ということはない
「個別指導で助けてもらえる」という思いで歯科医師会に入っている歯科医師が多いのも事実です。
ただ、そんな理由だけで歯科医師会に入っている歯科医師は少ないとは思いますが、もし、そんな理由で入っているのであれば、
個別指導に対しての正しい知識や保険請求のルール、日頃のカルテ作成をしっかりとする方が短期的、長期的にも歯科医院経営において大きなメリットがあることは間違いありません。
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